イップスYips

イップスのメカニズムと改善法Cure for the Yips

イップスという言葉が生まれたのはスポーツ、ゴルフからでした。しかし、現在、イップスはゴルフ以外にも野球、テニス、卓球、バドミントン、陸上など様々な競技や音楽奏者、声を出すアナウンサー、ボーカリスト、声優、俳優の方がなっています。
ビジネスではスピーチの声、ペンを持つ手、名刺交換の手の震え、医療では手術の時の手の震えなど様々な場面でイップスの状態を感じる人が多くなりました。
このページではイップスの原因、メカニズム、メンタルトレーニングの改善方法を解説していきます。

イップスの特徴

イップスの特徴は意識した通りに体が動かない。
その状態が一定期間、継続することをイップスと言います。


主にスポーツ、ビジネス、音楽、医療では腕、指で感じる方が多いですが、ドラム奏者、陸上長距離選手は足で感じる方、ボーカリスト、声優、アナウンサーは喉、舌で感じる方もいます。

指、腕、脚、舌など末梢神経が集中している器用に動かすことのできる部分にイップスを感じる方が多いです。


イップスになった状態の継続期間の目安は、1ヶ月以上となりますが、早めにその状態を受け入れ、改善に向けた方法を知り、行動することが大切です。

イップスの分野

イップスが主にどのプレーに出ているのか、体のどの部分に出ることが多いのか、種目別、分野別で明記しています。
体の震え、固まる、停止、違う方向へ動く、誤作動を感じている方が多いです。

ゴルフ:ティーショット、アプローチ、パター。
野球:投球、送球、バッティング。
卓球:サーブ、フォアハンド。
テニス バドミントン:サーブ、フォアハンド。
フィギュアスケート:ジャンプ。
陸上長距離:走るときの脚、腕。
音楽奏者:演奏時の腕、指、脚、唇。
ボーカリスト 声優 俳優:声を出すときの喉、舌。
プロ棋士 将棋 囲碁:指、脳。
医療外科医:手術の時の腕、指。
ビジネス:文字を書く時、名刺交換の腕、指。
電話の第一声の喉、舌。スピーチの時の喉、舌。

イップスの原因 ストレス

対人関係

ストレスを強く感じているとき、環境の中に必ず存在しています。
対人関係のストレスは最も多い原因の一つです。

技術面

スポーツや音楽奏者の方に多いものとして、新しく獲得した技術が体に合わないことから
ストレスを感じていることがあります。脳が混乱している、体が抵抗していることがあります。

強い成果主義

成果、結果に対する強い気持ちから思い通りの結果を残したい。しかし、残せない状態になっていることへのストレスです。

自律神経の乱れ

時間がない。スケジュールが過多になっている。多忙であることから交感神経が優位である生活が長く続いていることからのストレスです。

強迫観念

~しなければいけないと感じる、高いストイック性が心の縛りを作っています。

1 周りの期待に応えようとして ~しなければいけないと感じる。
2 目標に到達しようとして ~しなければいけないと感じる。
3 完璧であろうとすることから ~しなければいけないと感じる。

過去の記憶

記憶の関しては2つ存在します。
1 失敗した記憶が重なり、同じことをしようとしたときにフラッシュバックする。
2 思い通りに行かなかった大きなミス、大きな怪我など1回の記憶が深く無意識に刻まれている。

イップスのメカニズム

人間の心理は意識と無意識に分かれています。
運動機能も意識と無意識に分かれています。

心理面

意識は既に理解している心であり、表層心理です。
無意識は意識からは見えにくい、深層心理です。

運動機能

技術の習得の初期はその動きを覚えていくために、意識的に体を動かしていきます。
しかし、何度も同じ動きをした動作は無意識に落とし込まれ、意識せずに無意識に体を動かすことができます。

意識と無意識のバランス

イップスは意識では右に行きたいと思っているのに、無意識では左に行ってしまう。
もしくは無意識に停止してしまう、意識と無意識のバランスが崩れることがメカニズムです。

なぜバランスが崩れるのか

1 ストレスから意識が過剰になっている。
2 強迫観念から意識が過剰になっている。
3 過去の記憶のフラッシュバックから未来が怖くなり、意識が過剰になっている。
4 過去の失敗した記憶が蓄積し、体を勝手に止めてしまう。
上記のことが多いです。

2つの心理構造

私たちは普段の生活から一つの心理だけで、動いていると思っています。
しかし、私たちの心理構造は一つだけではありません。意識の心と無意識の心が存在しています。
さらに無意識は意識に近い無意識(過去の経験が蓄積している無意識)とその奥には未来を知っている無意識があります。

無意識からの警告 メッセージ

イップスはその状態を通して警告を発しています。メッセージを伝えようとしています。

イップスの改善方法

意識と無意識のバランスを元に戻していくことが大切です。

  1. ストレスの元になっている原因を探し、根本的な解決。
  2. 強迫観念になっている思考を緩めていく。
  3. 失敗した記憶は無意識へ到達する、質の高いイメージトレーニングを行う。
  4. 技術のルートを少し変更する。
  5. 自律神経を調整する
  6. 脳波を調整する
  7. 思考の変換

まとめ

イップスはメンタルからのアプロ―チ、体からのアプローチも組み合わせることで改善していく可能性があります。改善までの道のりは個人差があります。

スポーツから発見されたイップスは音楽芸能、ビジネス、医療の世界まで広く浸透しています。
人間に心がある限り、脳がある限り、イップスになる人は存在します。

しかし、イップスはその状態を通して、何かを伝えようとしています。
何を伝えようとしているのか、そのメッセージを知り、解読し、元に戻っていく道を選ぶこともできます。

イップス改善の実績

プロスポーツ選手(ゴルフ、野球、テニス、サッカー、ボクシング)
アマチュア選手(ゴルフ、野球、テニス、フィギュアスケート、バドミントン、柔道、空手、射撃他の種目)
経営者、役員、士業、技術専門職、ビジネスパースン 医療 医師、看護師 医療従事者
音楽奏者、ボーカリスト、声優、俳優、アナウンサー